タイトルはあまりにも有名なのでレビュー割愛。

「ッ!?そ、そんなッ!?」
 生徒会に属する沙那。その公的な立場はどこまでも公正なものでなければならず
――特定企業を利する――商品名を口にする
そんなことは、それを踏みにじることに他ならない。
 優季はカイロを踏みつけたまま、沙那の目の前に屈み込んだ。沙那の顎をくいと持ち上げ、丁度優季の、綺麗な体のラインがでている外見にそぐわない熊さん模様のショーツに合っていた目線を自身のそれと絡ませる。
「簡単じゃない……それに書いてある文字を読んで、くださいと一言言うだけで手に入るのよ?」
 くッ、と沙那は何かを堪えるように視線を逸らす。

 その高度のため気温が極端に低い屋上で。
 地形上、いつも強い風が吹き抜ける通学路で。
 躯を犯すように常に膚から冷気が染み込んでくる夜の帰り道で。
 そして全身を無数の獣の顎にかかるような痛み、吹雪の吹きすさぶような自転車で――
 他人が皆同じように震える中で、自分独りがその温かみを独占できるという優越感。
 そして雪原の中でも凍えることなく、正確にハンドルを繰る暖かい指。
 何より――あれを服の中に入れて持ち歩いたら――何と心地よいことだろうか!
 大腿は突き刺すような冷気に晒されつつも、服の下に入れたカイロから染み出す温もり。
 

 しばしの回想の後、彼女は口にする。
 それは破滅の言葉か、はたまた滅亡への序曲か。

「ホ×ロンを……ください……ッ!!」

 それは――冷え性の彼女にとっては、何よりも魅力的だった。
 ――そう――何物にも代え難いものだったのだ。

 だから――彼女を攻めるのは酷なのかも知れない。

「あっははははははははははははははは!!」
 優季の哄笑が茶室に響き渡る。
「くッく……いいわ、楽しませてくれたご褒美に、これはあげる」
 優季は足元の使い捨てカイロを拾い上げると、パン生地をこねるように力を込めて執拗に揉みしだいた。
「ッ!? な、何を!?」
「何をとは心外ね。暖めてあげてるんじゃない。貴女のために」
 ほどよく暖まったそれを、沙那の服の中に一気に突き入れた。
「やぁッ!?だ、ダメ!(服の)中はダメ――!」
 熱く滾ったそれを抜き取ろうと暴れる沙那の腕を優季が畳に押さえつける。明らかに文系な道に進んだ彼女の力では、どう足掻いても優季の力に適うべくもない。
「コタツの中でこんなの入れてたら――低温やけどになっちゃう……ッ!!」
「今更何を言ってるの。これは貴女が望んだ事じゃない。誇り高い生徒会が――禁忌を破って商品名を口にしてまで――欲しかったんでしょう?」
 甘い声が耳に絡み付く。先程の醜態を思い出してか、沙那の頬がかあっと赤く染まった。くすり、と優季が笑みを漏らす。
「いい子ね……それじゃ――これは私から特別のご褒美よ!」
 優季は、その細腕から想像もできない腕力で沙那をうつ伏せに組み敷いた。
「な!?何を――くぅッ!?」
 はね除けようと身を起こし掛けた沙那の肩が跳ね上がる。
「どう……気持ちいいでしょ?」
「ひぐッ!?」
「痛いの? 大丈夫……すぐに気持ちよくなるから――ふふッ」
 優季の指が、沙那の服の上からその肉体を容赦なく――太もも、尻、背中、肩と硬くしこった部位を重点的に揉みしだいた。沙那は凝り固まった筋肉がほぐれ、じわりじわりと少しずつ血行を取り戻していくのを感じる。
「思った通りね……ずっとひとりで運動してダイエットしてたから……凝ってたんでしょう?」
「ああんッ!!」
 力を込めると、沙那が高く鳴く。右肩胛骨内側――そこが彼女の一番敏感な部位――即ち一番凝っている箇所だった。
 優季の動きが変わる。強弱をつけつつその質感を確かめるかのように全身を這うなだらか動きから、ただ一点を責め立てる強く突き上げるような動きへ。
「ひんッ!くッ!ふぁッ!」
 細く長い指先が空しく畳を掻く。指に力を込めることすらもできない。もはや声に
抑えは効かず、湿った嬌声が茶室を満たす。そして――

「ッああああああああああ――――――――――ッ!!!」

 ひときわ高い声で鳴いたのを最後に――沙那は糸の切れた人形のように、そのまま力無く崩れ落ちた。
「どうやら筋肉痛を解されたのが気持ちよすぎて――寝ちゃったみたいね」
 自分の額の汗を拭いながら優季は喉の奥で嗤う。その手で沙那の首筋を撫でると、指先を彼女の汗が覆った。

「コタツで寝て目が覚めてたら風邪をひいてたなんて――
 その時貴女はどんな顔をするのかしらね――」

 ぺろり、と二人の汗が混じりあったモノを舐めると、優季は自らも腰を下ろしてコタツに潜り込み――新たなミカンの房を手に取ったのだった。

深々と
雪が
積もっていく
之が
日本の冬の
あるべく姿


とまぁ、今じゃ絶対確実に書けないものをリメイク。
ほんっと、未だに急激に文章力が落ちたわけが解りません。
オテアゲヽ(´▽`;)ノ

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

この日記について

日記内を検索